
気が付けば今年ももう年の瀬が近づいている。街ではクリスマスツリーが光り、朝の冷え込みもぐっと厳しくなった。日常生活を振り返れば、1年というのはあっという間である。年齢を重ねるごとに1年が過ぎるのは早くなるらしい。今でももう十分早いのに、数十年後に体感する早さとはどんなものだろうか。今からその早さに怯えている。
さて、人生とは旅であり、流れゆく時間もまた旅人のようなものだと表現したのは、江戸時代の俳人松尾芭蕉である。松尾芭蕉、そして奥の細道と聞くと、中学校の国語の授業で奥の細道の序文を暗記する課題があったのを思い出す。あの時は面倒臭く覚えた記憶があるのだが、「片雲の風に誘われて、漂泊の思ひやまず」という一文は、その後もずっと覚えていて、とても好きな一節である。旅する前のソワソワを感じると、自分も奥の細道の序文の松尾芭蕉と一緒だなと思う。しかし、江戸時代と現代とでは旅に出る気軽さというものは全く違う。何百年も前に人生を懸けて旅に出た人物というのは本当に偉大である。今回の東北旅は松尾芭蕉の足跡を辿るわけではないものの、一部で奥の細道ルートを逆行する。そんなわけで奥の細道にちなんで序文を書いてみた。
1月の沖縄旅行からスタートした今年の旅行もいよいよ今回が最後となった。今年最後の旅も前回に引き続いて東北を旅していく。前回の旅では北東北エリアに的を絞ったが、今回の旅ではより広範囲に秋田県を除く東北各県と新潟県の未乗路線を旅していく。これまで3回東北には訪れているが、まだまだローカル線、特に東西を結ぶ路線を中心に未乗路線が多い。今回もいくつかのローカル線を巡ることが目標だった。旅程は3泊4日。東京駅から東北を周遊する鉄道旅がスタートした。
前旅
【旅行記】北東北の鉄道路線を巡る旅~ANA羽田-大館能代線で北東北へ~

旅のスタートは早朝の東京駅。前回の旅と同様に前日のうちに東京入りし、蒲田駅近くのホテルに宿泊した。朝から京浜東北線の各駅停車で蒲田駅から移動。前回の旅は羽田から大館能代へと飛んで東北旅がスタートしたが、今回は東京駅から新幹線で東北へと向かった。
今回の旅は、3泊4日の行程のだが、前半3日と後半1日に分かれている。前半の3日間は、東北地方をジグザグに走行しながら北上し、東北の未乗路線を巡る。まずは山形新幹線に乗車して、今回乗車する最初の未乗路線が走る米沢駅へと向かった。

東京から乗車したのは、7時12分発のつばさ123号新庄行(写真は米沢駅で撮影したもの)。この列車には最初の未乗路線が走る米沢駅まで乗車した。山形新幹線「つばさ」は、昨年の旅で新庄~東京間で乗車しているので、乗車するのは2度目だった。昨年乗車した「つばさ」は、日中に東京駅に到着する列車で、福島~東京間も単独で走行する通称「単独つばさ」だった。今回乗車したつばさは、東京~福島間でやまびこ123号仙台行を併結し、同区間を17両編成で走っていく。東京駅のホームに回送列車として現れたやまびこE2系とつばさE3系の17両編成はやっぱり迫力があってかっこよかった(写真は米沢駅で撮影したもの)。
